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  景況感改善は、大企業の製造業・・・円安効果?

 日銀が発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業製造業がプラス10となり、9月の前回調査を4ポイント上回り、1年半ぶりに改善した。

 大企業非製造業のDIはプラス18と前回調査から横ばいであった。

 非製造業のうち「小売」、「宿泊・飲食サービス」は国内消費の低迷などで悪化した。

 一方、中小企業は、製造業がプラス1と改善しプラス圏に浮上。非製造業はプラス2と1ポイント改善した。

 しかし、3ヶ月後の先行き見通しでは製造業、非製造業とも企業規模にかかわらずDIが現状より悪化すると見ている。

   厚い雲・・・この先どうなる・・・
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  * DIが、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いた値。

 

  GDPも年1.3%増に下方修正

 

 内閣府が発表した201679月期の国内総生産(GDP・季節調整済)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.3%増、今後1年間この成長が続くと仮定した年率換算で1.3%増となり速報値(年率2.2%)から企業の設備投資の悪化により下方修正した。

 内外需のGDPへの寄与度は、内需がマイナス0.0%、外需が0.3%であった。

 

  アメリカ経済を懸念  41%

 

 民間信用調査会社の帝国データバンクが発表した「2017年の景気見通しに対する企業の意識調査」によると、懸念材料としてアメリカ経済と答えた人が41.8%で最多となった。

 トランプ次期アメリカ大統領の経済政策が日本経済にマイナスの影響を与えると答えた企業は37.8%に上った。  影響はないと答えた企業は10%  プラスと答えた企業は9%  分からないと答えた企業は42%  トランプ次期大統領への不安、懸念心理が表れている。

 懸念材料は2位以下、  原油価格が28%  円高が26%  中国経済が21%と続いた。

 

 マイナスの影響と答えた企業を業界別に見ると、 農・林・水産が46%  金融が44%  サービスが39%の順であった。

 

 景気回復に必要な政策は、  個人消費の拡大政策が42%  所得の増加が38%  将来不安の解消が32%と「アベノミクス」の負の部分(格差と貧困拡大)に対する不安と懸念がそのまま回答に現れている。

 安倍首相は、世界で一番企業が活躍しやすい国を目指すと宣言し「アベノミクス」を強引に推進してきたが、もはや「アベニミクス」の行き詰まりと破綻を現している。

 

 出産・子育て支援や、介護問題の解決を重要施策と考える企業も2割前後あった。

 

  富の集中加速(安倍政権下)  富裕層が過去最多に

 

 民間シンクタンクの野村総合研究所が発表した推計によると、純金融資産保有額が5億円以上の「超富裕層」が2015年に7.3万世帯(全世帯数5595.2万人の0.13%の世帯)と2000年以降最多となった。

 野村総研は「超富裕層」の増加について、「安倍政権の経済政策「アベノミクス」による株価上昇がこの期間続いたため」としている。

 アベノミクスのもとで「富の集中」が加速していることを示している。

 

  法人税減税競争? 世界へ波及?

 

 アメリカの次期大統領トランプ氏が掲げた大胆な減税公約「法人税率を半分以下の15%へ引き下げる」が、世界中で波紋を呼んでいる。

 アメリカから企業の海外流出を食い止めるのが狙いだが、世界中で法人税の引き下げ競争が起こる可能性を危惧する声も聞こえる。

 日本の法人実効税率は29.97%(実際は大企業優遇税制で大企業の実効税率ははるかに低い)で、2018年度から29.74%になる。

 各国が法人税減税競争に駆り立てられ、大企業法人、富裕層に配慮して減税政策を行い、外国企業の誘致競争を行なえば各国の財源は崩壊する。 つまるところ、国民を犠牲にして財源の手立てをするしかなくなる。 すでに日本では国民犠牲の財源手立てが始まっているが。

 

 世界中が「タックスヘイブン(租税回避地)」になってはいけない。