確定申告に見る 社会保険料(税)負担
家計経済は、年間医療費970,520円、国民健康保険料は393,300円、国民年金は373,440円の支払額となっている。
医療費自己負担と社会保険料等負担は合わせて1,737,260円(所得額の65.76%)に上る。
若干の生命保険料、火災保険料、住民税を差し引くと可処分所得額は816,829円(月額68,069円)である。
一家4人家族、生活保護以下であるが、一切の社会保障補助はない。
これが日本の実態である。
国民「皆保険」機能不全
自営業や無職の人が加入する「国民健康保険」、75歳以上の人が加入する「後期高齢者医療制度」の保険料を払えない人たちの問題が深刻化している。
厚生労働省の最新調査(昨年6月)では、国民健康保険で約336万世帯(世帯課税)、後期高齢者医療保険で約24万人が滞納となっている。
滞納を理由に「保険証」を取り上げられたのは、国民健康保険で125万世帯(滞納者の37%強)、後期高齢者医療保険で2万6千人にのぼっている。
保険証がなくて医療機関への受診をためらい、手遅れで命を落とす悲劇も後を絶たない。
国民の命と財産を守るといって自公政権は“戦争法案”を強行可決した。このような生活の基盤のところで国民の命を見殺しにして、何をかいわんや だ。
「滞納」の背景にあるのは、負担能力をはるかに超える高い国民健康保険料(税)にある。年間所得250万円程度の自営業者4人が支払う保険料(税)が40~50万円(所得額の20%弱)に達する。これだけの負担額はあまりにも過酷だ。低所得の世帯では払いきれる額ではない。
国民健康保険料も税である。税は“応能負担”が憲法でも保障されている。まさに、憲法違反の国民健康保険料(税)の負担制度である。
人を殺しかねない 乱暴な徴収・差押 やめよ!
国民健康保険料の滞納を理由に、昨年、市町村による乱暴な徴収・差押(約28万件)が過去最高となった。滞納分を分納しているのに銀行口座までいきなり差押えし、生活の糧である年金や子供手当(児童手当)まで巻き上げていく。
滞納者の事情を全く考慮せず、生活をさらに困窮させ、自殺にまで追い込む市町村の行政執行。いかなる理由が行政当局にあろうとも許されるものではない。
国税には国税通則法、国税徴収法があり、納税の猶予・徴収の猶予の規定があるが、市町村には猶予法はない。無いからといって、何でもできるものではない。
国民健康保険料(税)に滞納が多く発生するのは、負担に耐えられない(特に低所得者)国民健康保険料の算出制度・仕組みにある。このことを認識し、改正すべきである。
市町村長・職員様・・・市民の代表として職務に専念するということは、市民の暮らしと命を守ることではないか。