2009年度上期の景況アンケート調査によると、企業の景況感を示す業況判断DIは、1月の前回調査より11.0ポイント悪化、マイナス47.4と7年連続の悪化となり、過去最悪に達したとニッセイ基礎研究所が9月25日発表しました。
世界同時不況で企業業績にマイナス影響を受けたと答えた企業は92%にのぼり、マイナス影響の要因として「需要の減少」をあげている企業が81.3%となっています。
従業員数DIも全企業の見通しでマイナスとなっており、「先行きの雇用情勢は厳しさを増していく」となっています。
※DI=景気や数値の拡大を示している指標の割合
2009年度上半期の全国企業倒産(負債総額1000万円以上の法的整理)は、6712件と前年同月比で4年連続で増加となったことを帝国データバンクが発表しました。
大型倒産が続発した前年に比べ、製造業が1039件と半期としては過去最高を記録しました。中でも、機械製造業の倒産は2倍に急増しました。
自動車、電機、鉄鋼といった大企業の減産による「メーカー減産関連倒産」も多発、販売不振など不況型倒産は、全体の80.6%(5412件)を占め、緊急保障制度などの借入の利用が進んでいても中小企業の収益環境は依然として厳しい状況におかれています。
また、東京商工リサーチの発表によると、従業員5人未満の中小・零細企業の倒産は、前年同月比3.6%増の4767件に達し、この7年間で最多となり、年度上半期の48.3%を占め著しく増加しました。
中小・零細企業は、"需要減と単価下落で業績の回復が遅れている""水面下で資金繰りがひっ迫している"という二重の状況下におかれています。
この統計には表れていない(負債総額1000万円以上の法的整理)中小・零細企業の倒産は、その何倍かに達しているものと思われます。
中小・零細企業にとっては、「資金繰りの緩和」「借入金の返済猶予」が緊急の課題となっています。
日本フランチャイズチェーン協会が発表した8月の主要なコンビニエンスストアの売上高は、前年同月比5.5%減と、3ヶ月連続で前年実績を下回りました。また、物価の下落傾向は止まらず、8月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年同月比で2.4%下落し、6ヶ月連続のマイナス。下落幅は4ヶ月連続で過去最大を更新しました。
物価下落が長期化すると「デフレ」に陥り、企業収益はますます悪化、景気回復の足を引っ張る可能性もあります。
中小・零細企業にとって、実感ある景気回復が望まれるところです。