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   暮らし支える 強力な支援こそ 急務

 新型コロナウィルスの感染の急拡大による日本経済の激しい落ち込みが浮き彫りとなった。
 内閣府が発表した2021年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価の変動を差し引いた実質で、2020年10~12月期に比べて1.3%落ち込んだ。 年率換算で5.1%の下落だ。

 1~3月期のGDPがマイナスとなった最大要因はGDPの半分以上を占める個人消費の冷え込みだ。 1月初めに東京など4都県を皮切りに発令された2度目の緊急事態宣言は3月下旬まで続き、この間、外出・外食の自粛要請などにより消費支出に大きなブレーキがかかったことが大きな要因となっている。

 深刻なのは、4月末に3度目の緊急事態宣言が発令され、対象地域の拡大や期間延長が繰り返されていることだ。
 4~6月期が2期連続でマイナス成長に陥る危険は極めて高く、「コロナ不況」に突入しかねない状況だ。

 コロナ対応で無為無策を重ね、感染悪化の「人災」を引き起こした菅政権の責任は重大だ。

 コロナ禍で苦境にあえぐ国民の暮らしを支え、日本経済を立て直す抜本的な対策が急務だ。
 その一策は、消費税率を5%に戻すことだ。

   コロナ不況長期化 弱者を直撃

 コロナ不況の長期化は、社会的弱者を直撃している。
 コロナ禍で最も深刻な影響を受けているのは、低賃金・不安定雇用の働き方を余儀なくされている労働者。 人との交流の場を作ってきた宿泊・飲食・レジャー・芸能・交通などの業種である。

 5月に入った土曜日、東京都庁前。困窮者を支援する認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」などによる食糧支援には、対人距離を保ちながら300人以上の列ができ、コロナ禍前に比し3倍以上に膨らんでいた。
 15日の食品配布には過去最多の350人以上が並び、若い女性の姿が目立っていた。

 1年間働いても年収200万円以下のワーキングプア(働く貧困層)は2019年には1200万人に達し、 2019年に38.3%急増。 そこへコロナ禍が襲い掛かってきた。

   街角景気 3ヶ月ぶり悪化

 内閣府が発表した4月の景気ウオッチャー調査によると、街角の景況感を示す現状判断指数(季節調整値)は前月比9.9ポイント低下の39.1と3ヶ月ぶりに悪化した。
 東京や大阪など4都府県に対する緊急事態宣言の発令が響き、昨年3月以来の悪化幅となった。
 内閣府は景気動向について「持ち直しに弱さが見られる」と国民には感じられない総括をしていたが、さすがに今回は下方修正。 先行きは「感染症の動向に対する懸念が強まっている」と指摘している。

 2~3ヶ月先の見通しを示す先行き判断指数は8.1ポイント低下の41.7。 「淡い期待を持っていた夏以降も絶望的」などの不安も目立っている。

 コロナ禍の裏で広がっているのが、企業や分野による激しい明暗だ。 投資事業を柱にするソフトバンクグループは、世界的な株高を背景に5兆円の利益を計上。 輸出や巣ごもり需要が伸びた製造業の決算も好調だ。 一方、営業を抑え込まれた交通・飲食業に打撃が集中している。こうした業種には中小企業や非正規雇用者が多く事態の長期化による重圧は厳しい。

   富豪50人 資産48%増


■ 日本の富豪 上位10人(2021年)
 1 孫正義ソフトバンクグループ会長兼社長   4兆8920億円(2.2倍)
 2 柳井正ファーストリテイリング会長兼社長    4兆6270億円(1.9倍)
 3 滝崎武光キーエンス名誉会長       2兆8420億円(1.3倍)
 4 佐治信忠サントリーホールディングス      1兆 690億円(1.1倍)
 5 永守重信日本電産会長          9960億円(2.5倍)
 6 高原豪久ユニ・テャーム社長          8810億円(1.4倍)
 7 三木谷浩史楽天グループ会長兼社長     8260億円(1.4倍)
 8 似鳥昭雄ニトリホールディングス         5730億円(1.3倍)
 9 重田康光光通信会長           5620億円(1.1倍)
 10 毒島秀行SANKYO会長          4850億円(1.1倍)

   庶民には 上がる保険料 減る年金

 65歳以上の高齢者の支払う介護保険料の全国平均が6,000円の大台を初めて超えた。 一方、年金の受領額は年々減る一方だ。

 高齢者の負担は増え続け、受給は減り続け、生活はじわじわと厳しくなっている。
 貯金を崩しつつ、慶弔関係の支出や、孫へのお祝いの費用など少しづつ抑え、外食の回数を減らし、節約をしてきた。「私も妻も介護サービスを受けていないので、一方的に払っている状況。際限なく上がっていくようで、とても過酷な制度に思う」とある高齢者は不満を漏らす。

 負担増はこれにとどまらない。75歳以上の高齢者は、200万円以上の収入<200万円以下の年収ではワーキングプア(貧困層)に該当する>があれば医療費の窓口負担が1割から2割に引き上げられる。

 介護保険料などを滞納し、年金などを差押えられた人は、2018年度は過去最高の192,221にも上る。 徴収も過酷だ。

 高度経済成長期を支え、「24時間働けますか」と歌の文句にも踊らされきた高齢者の末路、悲しいかな現実である。 ・・・ 政治のツケが回ってきた感じだ。