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  12月にやるべきこと

 師走に入りました。税務上で注意してほしいことが二つあります。
 「年末調整」と「電子取引保存義務化」への対応です。
 この二つは、12月にやっておく必要があります。

  年調の注意点

 今年は大きな改正がありませんが、ひとつだけ注意してください。
 それは国外に住んでいる親族を扶養控除の対象にする場合です。
 まず、16歳以上30歳未満または70歳以上の人については、「親族関係書類」と「送金関係書類」の提出があれば扶養控除対象となります。
 次に、令和2年度改正により、令和5年1月から、国外に住んでいる親族のうち30歳以上70歳未満の人については、

1 留学により国内に住所がなくなった人
   → 親族関係書類・留学ビザ等書類・送金関係書類の提出が必要

2 障害者
   → 親族関係書類・送金関係書類の提出が必要

3 生活費や教育費のために年間38万円以上の支払を受けている人
   → 親族関係書類・38万円送金書類の提出が必要

が扶養控除の対象となりますが、いずれにも該当しない場合や必要書類の提出がない場合は扶養控除は受けられません。
 外国人を雇用している事業者は、よくチェックし、必要書類を本人から提出してもらい、保存しておく必要があります。

  納付額0でも納付書を提出

 年末調整等の結果、納付額がゼロとなる場合も必要事項を記入して納付書を作成し、税務署に提出してください。e-Taxでもゼロ納付書を送れます。
 税務署では、機械的にその月の納付有無を判断しますので、提出しない場合は納付漏れと判断され、税務署からの問い合わせに応えなければならない手間が生じます。

  電子取引のデータ保存 1月から義務化

 年明けからパソコンによるデータ保存が義務化されるのが、ネットで商品等を購入したデータや、取引先とデータでしかやり取りしない売買上のデータに関してです。
 データに加えてその取引について紙媒体でもやりとりする場合は、紙媒体が保存対象ですから、データの保存義務はありません。
 最も身近なのが、アマゾンなどで商品を購入する場合です。アマゾンから紙の請求書や領収書は交付されません。ネット上に領収書等がアップされますが、それを紙で出力して保存しても保存とみなされず、所得税や法人税の扱いとしては保存されていないとされます。場合によっては経費が否認されたり、青色申告が取り消さりたりする要素になるということです。
 ただし、消費税は「電帳法」の対象ではないため、紙で打ち出したものを保存しておけば、仕入税額控除は認められます。であれば、所得税や法人税も紙に打ち出して保存すれば何の問題もないということになります。
 つまり、保存に関することでも首尾一貫性がまったくない、実にくだらない義務化といえます。

 紙に打ち出す必要がないのだから、経費が浮くではないか!!!???
 バカも休み休み言え。納税者にすれば、手間暇とお金がかかるだけで、業務の効率化に寄与するどころか、逆に非効率を義務化されるに等しいバカげた話なのです。
 中小業者にとって負担となるバカな義務化はやめろと、政治問題にする必要があります。
 過去には、業務執行役員の報酬規制というバカな改正に対する怒りが沸騰し、わずか4年で廃止せざるを得なかった例があります。中小業者の怒りを沸騰させ、再改正に追い込みたいものです。

  淡々と対処しよう

 とはいっても、事務処理的には淡々と対処する必要があります。
 むさしの会計は3つのパターンを用意しています。

 第1のパターン
 エプソン会計の財務応援という会計ソフトを会社のパソコンに導入して対処するパターンです。
 これを導入すれば、電子取引のデータ(例えばPDFやスクリーンショット画像)を会計ソフトに簡単にダウンロードでき、かつ、会計帳簿に連動する形で保存することができます。検索要件や保存期間等もすべて達成されますので、取引数の多い人に一番お勧めしたい方式です。
 ただし、ソフトの年間使用料がかかります。

 第2のパターン
 むさしの会計でサーバを確保しています。利用者のパソコンとネットでサーバに接続させ、保存用の入り口を利用者のパソコンにセットします。その入り口から簡単に電子取引データをサーバに保存できる方式です。エプソン会計の財務応援を入れなくても、検索要件や保存期間等もすべて達成できます。
 取引数がそれなりにある人で、少し費用がかかっても手間をかけたくない人におすすめです。サーバの使用料はかかりますが、第1パターンのソフトの使用料より格段に廉価です。

 第3のパターン
 まったく自前で自分のパソコンで保存する方式です。
 ただし、検索要件と保存期間も自前で措置し管理する必要があります。
 ポイントは検索要件となりますが、エクセルの索引簿をむさしの会計が提供しますので、そこに入力し、データと連動させて保存することになります。
 電子取引数が少ない人は、この方式をお勧めします。手間は少しかかりますが、費用はかかりません。

 なお、いずれのパターンもデータの訂正等に関する取扱い規程を作成して備え付けなければなりません。その見本もむさしの会計で用意しておりますので、利用者に合わせて補完して仕上げます。

 電子取引データの保存に関しては、これで何の問題もありません。
 詳細を知りたい方は、お気軽にご相談ください。