税金の使われ方に 国民の監視・メスを
会社経営のトップを評して「横暴」・「独裁」・「聞く耳を持たない」。 ・ 社内で幅を利かせるのは「子飼い」・「取り巻き」たち。意見を言うものなら「とにかく言うとおりにやれとすごまれる」・「俺の言うことが聞けないのか」・「逆らうなら覚悟はあるな!」とよく言われる(日産自動車に君臨したカルロス・ゴーン被告、日本大学に君臨した田中英壽被告・・・)が、政治の世界も“似て非なる”ものだ。
トップが暴走すれば、組織はゆがむ。 それは企業であっても、国家であっても同様だ。
権力者の組織構造は、会社であろうが、国家であろうが、変わることはない。 中国の人権侵害、オリンピック開催・ロシアのウクライナ侵攻も同様だ。
トランプ氏にいたっては、「プーチン、なんて賢いんだ」と称賛するにいたっては言葉がない。
<君命は黙し難し> 君主の命令が道に反するものであっても、腹を決めなければ臣下は逆らい難い。上司が独裁者と化したとき、部下は悩み苦しむものである。
・いさめようと腹を決めて更迭された。 ・あきらめて追従した。 ・社会に訴え出た。 ・・・ 選べる道は、この3つしかない。
「トップに引き立てたてられて恩義がある。幹部に並び、直言できない。」 ・・・ すごまれれば引き下がるしかない。
国民の血税 ☛ 使途を明らかにするのは国民への責務
闇の官房機密費 に触れてみる。
菅前政権が発足した2020年9月から退陣までの約1年に支出した内閣官房機密費(報償費)13億円超のうち、官房長官が自由勝手に使える「政策推進費」は12億4千万円にのぼる。 1ヶ月9000万円の支出(1日平均313万円)だ。 挙句に年度末には残金がない。 政策推進費(?)は、領収書が不要の“つかみ金”である。
菅官房長官時代の7年8ヶ月間の「政策推進費」は、86億8千万円だ。
菅氏は自民党総裁選に立候補した。出馬表明前日に9020万円の政策推進費を受領した。 総裁選挙のために使ったとしか思えない。 裏付ける証拠は不要という。 まさに税金の私物化である。
私的流用の疑いさえある。 ほんとに必要な経費なのか?
政策推進費をはじめとする“官房機密費”は国会対策やマスメディア対策などに使われる裏金だ。使途を隠して税金を使う! それがまかり通っている政治(権力者)の世界。 メスを入れる必要がある。 ・・・ 政治家は誰も声を上げない。
官房機密費は国庫(国民の税金)から支出されている国民の財産である。政策推進費のほかに「活動関係費」・「調査情報対策費」もある。 使い道は総理大臣の参謀〈官房長官〉の裁量次第である。
最高裁は2018年、政策推進費に関する資料の一部開示を命じたが、政策推進費は国民の税金であり、目的外支出は明文で禁止し、使途は公表すべきである。
・・・ 税金を納める国民の側から見れば、この支出は事業上の極秘支出であり、相手先・理由は明らかにできません。 領収書等も保存しておりません。 事業遂行上の秘密事項である。 との論法は通用しない。
いま、税法は大きく改悪され、電子帳簿保存がなければ否認(電子帳簿保存法)する。
消費費税の支払は消費税事業者の登録番号の記載された請求書(インボイス発行)の保存がなければ、たとえ消費税を支払っていても否認する。 と否認事項のみ強化されてきている。
あらゆる面で、AIを利用し、AIに保存せよ! である。
それが出来なければ、すべて否認し、追徴税金を取るぞ! と脅迫している。
政党助成金 に触れてみる。
政党助成金は、国民1人当たり250円の税金を各党に割り当て支給する助成(交付)金だ。
昨年までの交付額は8,539億円。 最も多く受け取っているのが自民党で4,088億7,800万円にのぼる。 そして、党本部から各議員の党支部に“分配”される。
政党助成金は使途についての定めがなく、借金の返済や貸し付けにあてることができないだけで、政治活動と称し自由に使うことができる金銭である。
2019年の参院選広島選挙区をめぐる前代未聞の買収事件で有罪となった河井案里元参院議員(自民党離党)が、自民党本部から提供された選挙資金1億5000万円円のうち1億2000万円が政党助成金であった。
2003年にも自民党衆院議員(当時)が政党助成金を原資に買収したとして公職選挙法違反で有罪判決を受けている。
また、受領している各政党は、政党助成金が余っても返還義務がなく、繰り越して溜め込み、選挙の際に一気に使うという手法をとっている。
議員数により分配される政党助成金。 各政党は、党利党略の分裂、融合を繰り返し、助成金獲得劇を繰り広げている。 真の政党、政党政治を歪めた日本の政治状況を繰り返している。
政党助成金は税金の“山分け”と化しており、腐敗しきっている。
<共産党は、このような政党助成金制度は憲法違反の制度だと批判し、受取を拒否している>
政党助成金制度の元来の趣旨は、1995年、企業・団体献金を受け取ることは政治腐敗の温床になり、政治が歪められることから、企業・団体献金を禁止する代わりに政党助成金制度を創設し、利害に左右されない政治を目指そうと創設された制度であるにもかかわらず、いまだ、企業・団体献金との“二重取り”が止まらない。
2020年の収支報告書をみると、岸田内閣の閣僚が集めた企業・団体献金は6億6300万円(内.岸田首相は1億4042万円)ににものぼり、国民からの“税金”と“企業・団体献金”の“二重取り”となっている。
政治家は、二枚舌の権化であり、金の亡者となってしまった。 しかし、私たちが納めた税金であることは忘れてはならない。
文書通信交通滞在費 に触れてみる。
文書交通通信滞在費(文通費)の改革も進まない。 在任1日でも月額100万円支給する。 領収書の提出は不要。 未使用分の国庫返納はいらない。
政治家は使い勝手のよい“小遣い銭”は手放したくない! の本音が見え隠れする。
今どき郵便物で連絡などしない。 政治家は、先端技術のインターネット通信をしている。 ましてや、相手の所在地まで行かなくとも、オンラインで対応(海外でも首脳同士がオンラインで会議する時代)は常識だ。
文書通信交通滞在費など時代遅れの費用であり、まったく意味がない。 直ちに、文書交通通信滞在費(文通費)そのものを廃止すべきである。
『政治と金の問題』・『国民が納めた血税と血税の使途の問題』・『税金負担の不公平の問題』・・・税金は“応能負担”と“所得の再配分”という原点を真剣に考えなければならない。