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   消費税は、誰のための“税”なのか ?

 1989年4月(平成元年)消費税が導入されて30年。 消費税率は当初3%で導入されたが、1997年4月.5%、2014年4月.8%、2019年10月.10%に引き上げられた。
 度重なる消費税の税率引き上げが実施・模索された理由に「社会保障の充実」 「財政再建」 「安定税収の確保」 「不公平税制の是正」 「不景気下での税収アップ」が挙げられていたが、何一つ達成されていない。
 政権交代した菅総理も、就任早々消費税率の引上げを発言したが、国民に受け入れられないとみるや、慌てて「将来?」と言い換えた。 消費税は、国家権力にとって打ち出の小槌である。
 乱脈財政 “国民の負担増” と “国家財政の借金まみれ” のツケを更なる消費税増税で賄おうとしている。

 消費税増税の理由 「社会保障の充実」 「財政再建」 「安定税収の確保」 「不公平税制の是正」 「不景気下での税収アップ」・・・何一つ達成されていない。
 各種シミュレーションでも『消費税を引き上げ』ても総合的な税収増 「社会保障の充実」 「財政再建」 「安定税収の確保」 「不公平税制の是正」 にはつながらないと言われている。
 また、安易な消費税増税で税収確保することは“政治努力を損なわさせる”とも言われている。

 消費税はその構造上『逆累進性』の性格をもち、むしろ「不公平税制を拡大」する。

   *日本における消費税と税収の関係グラフ* 出所・財務省 (クリックで拡大)

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 この間の消費税収は、合計372兆円を超える。 法人税収入は平成元年度(決算)19兆円であったものが令和2年(予算)12兆円まで減少・単純計算(年度、経済変化考慮せず)で(法人三税)△291兆円以上。所得税収入は平成2年度(決算)26兆円であったものが令和2年(予算)19兆円まで減少<最高税率の大幅引き下げによる減収が主>・単純計算(年度、経済変化考慮せず)で△121兆円以上。 合わせて412兆円の減収である。

 この30年間、社会保障が充実し、国民生活が豊かになったと思う国民は誰一人いない。 むしろ、社会保障の国民負担は増額され、給付は削減されているのが実情だ。
 消費税は「社会保障」に使われる(政治的スローガン)は全くのゴマカシである。

 これが、消費税増税分が法人税減税と所得税(高額所得者)減税に消えて、社会保障費には回らないといわれる根拠である。

  「安定税収の確保」 ・・・ 財務省の怠慢

 消費税は消費者から徴収される。 それは間違いなく可処分所得を減少させる。 消費税分だけ消費の足を引っ張る。 <消費をするのだから、その分だけ税金<罰金>を払え> という消費税=罰金に等しい税制である。 たばこ税・酒税・個別物品税と同様だ。 罰(ペナルティ)税だ。

 何故消費税を増税(消費税率1%につき2兆円の継続的安定税収)するのか? ・・・財務省は「景気動向に影響されることなく徴収(それも、事業者に丸投げして、国家の手間かけずに)できる安定収入。必要なら消費税率を引き上げればよい。 これほど素晴らしい税金はない」・・・ が本音。

 消費税増税による安定財源の確保は、財政基盤を堅硬にさせるというが、財務方の職務怠慢と政治的努力をしなくてもよい仕組みとなり、政治の劣化につながる。

   消費税減税こそ 最大の<公助>経済対策

 コロナ禍で暮らす生業が深刻な状況になっている。 「コロナ禍で解雇や雇い止めにあった」 「コロナ禍で給与が下がり生活に困っている」 「このままでは年が越せない」 ・・・ という相談が相次いでいる。
 Go Toトラベル・Go Toイート ・・・ の恩恵にあずかれない国民は2割を超えるという。 秋、冬にかけてさらにコロナ拡大が予想される中「自助ではなく、公助を前面にした政策が必要だ」「コロナ支援策の充実と消費税減税」が政治の果たす役割だ。

 “税”本来の理念である 『応能負担』 『所得の再配分』 に今こそ立ち返るべきである。