経済・財政危機 消費税再増税を検討! 政府税調
〈政府税制調査会(安倍首相の諮問機関)は、先月5日、ウェブ会議方式で総会を開催した。会合では新型コロナウィルス感染症対策で財政悪化が一層深刻になっていることを懸念し、「消費税増税を中核に据えた、骨太の議論が必要ではないか」といった意見が出た〉という。
コロナ禍、経済不況で生活も圧迫されてくる中、安倍首相の諮問に応じる内閣府の審議会で、消費税減税ではなく“消費税増税するべき”という議論が行われている、という耳を疑うような議論である。
国民は「打ち出の小槌」なのか? 国民は“金は搾れば搾るほど出てくる”とでも思っているのか?
これでは、江戸時代の悪代官・ “農民は生かさず・殺さず” “搾れば隠し年貢米は出てくる”といった封建権力者の発想だ。
【復興特別所得税】・・・2011(平成23)年、東日本大震災の復興に充てるため創設された特別税『東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源確保に関する特別措置法』で、個人納税者<全国民>が負担している税金だ。 東日本大震災が風化しつつある現在、特別税として所得税に加算(2.1%)されていることも風化し始めている。 2037年まで25年間続く。
復興特別法人税(10%)は2年で前倒し廃止された。 廃止の理由は、“浮いた分を賃金の引き上げに廻すことを推進する”が理由であったが、その後、大企業は浮いた分を賃金引き上げには廻さず、その大部分を内部留保として蓄積している。
財政規模的には、2019年の所得税の財政収入は19兆5290億円。 これを基に2.1%、25年間と試算すれば、10兆2527億円の臨時増税だ。
同様の例は過去にもある。
1998年アメリカ中心の多国籍軍がアフガン戦争を行った。 日本は“金を出すが、血は流さない”とアメリカから批判された戦争だ。 その際『法人臨時特別税』として1兆8千億円を調達した。
古くは日露戦争の戦費調達のため、明治37.38年『非常特別税』が導入された。
今度は何というお題目にするのか? 『コロナウィルス感染症から経済を復興のための施策を実施するために必要な財源確保に関する特別措置法』とでも名付けるのか?
新ためて考えよう 税制の基本は『応能負担』と『所得の再配分』だ。
1千兆円を超える借金 ・・・ コロナではない
政府税制調査会は、新型コロナウィルス対応で財政悪化が一層深刻になったことを懸念し、消費税増税を中核と添えた骨太の議論が必要ではないか・・・と意見している。 その理由が「財政悪化」・「借金の悪化」ということだ。
アベノミクスのもと、国民は7年間も負担増(増税)と給付減(配分の減)に苦しんできた。
いくら負担層(借金返済)しても給付減(配分の減)を我慢しても国の借金は1,100兆5,266億円を超えた。
毎年2兆円を返済しても550年かかる。 国民1人当たり871万円(4人世帯では3,484万円)の借金だ。
庶民へは、増税しても、増税しても、国(=国民)の借金は増えるばかり、 “何?”である。
国民には“身に覚えのない借金”だ。
GDP.年率27.8%減 個人消費が大幅減
内閣府が先月17日発表した2020年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整済)速報値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比7.8%減。年率換算で27.8%減となった。
マイナス成長は3四半期連続、消費税(10%)増税(前々四半期)から連続で、新型コロナウィルス感染拡大が直撃し、リーマンショック後の09/1~09/3期(年率17.8%減)を大きく超える戦後最悪の下落となった。
安倍内閣が強行した消費税10%への増税に追い打ちをかけた個人消費減だ。
昨年10月の消費税増税後、日本のGDPは5年半ぶりに大幅マイナスとなった。消費税増税が経済に与える影響は大きい。 増税するたびに不景気になっている?
コロナウィルス感染症対策(ブレーキ)と経済財政対策(アクセル)の両輪でと政府・分科会は言うが、コロナ死と増税死のどちらも国民の選択肢にはない。
ドイツ、イギリスなど多くの国でコロナ禍における経済財政対策として、「消費税減税」に舵を切った。
日本でも消費税減税の検討に入ったと一時報道があり、期待を寄せたが、 “消費税減税どころか増税”? 政治(家)は国民の声に耳を傾けることを忘れないでほしい !