国民平等の経済効果は、消費税の減税 (英・独)
イギリス政府は新型コロナウイルスで大きな打撃を受けた飲食店などの支援策として、日本の消費税にあたる付加価値税を半年間、現行の20%→5%に減税する経済政策を発表した。
対象は、レストランやパブなどの飲食店やホテル、動物園、映画館など幅広く対象にし、期間は半年間となっている。外食半額キャンペーンも行うという。
減税規模は総額で300億ポンド=日本円で約4兆円規模の経済対策である。
パブやホテルなどでは来年1月まで大幅に減税される。
飲食店では一人当たり10ポンド(=約1,300円)を上限とし、支払が半額となる割引を適用し、外食産業の利用を促す狙いだ。
また、一時、自宅待機させるなどしていた従業員を復帰させた場合、一人当たり1,000ポンド(=約13万円)が雇用主に支払われる。
ドイツ政府は新型コロナウィルス感染拡大で打撃を受けた経済の回復を目指し、2020~2021年に実施する総額1,300憶ユーロ=日本円で約15兆9000億円の経済対策を行う。
日本の消費税にあたる付加価値税を19%から→16%に減税する経済対策を実施する。
子育て世帯に1人当たり300ユーロ(=約3万7000円)の現金給付も行う。
食品などに適用される軽減税率は7%→5%に引き下げる。期間は7月1日から年末までだ。
映画館や劇場などの閉鎖で打撃を受けた文化・芸術分野への支援も盛り込まれている。
また、2020年に53億ユーロ、2021年には追加資金を投入し、公的医療や失業援助を含む社会保障財政の安定化を目指している、再生可能エネルギー普及のための電気代への賦課金も引き下げる。
『未来のための経済対策だ』とメルケル首相は強調している。
一方、日本政府は、安倍首相の一声で“学校の一斉休校”“アベノマスク”そして今Go To トラベルで二転三転。 PCR検査も先進国で断トツに少なく、医療機関は倒産の危機にまで陥っている。
純粋な専門家会議を廃止し、政府の意を聞く分科会を立ち上げ、事あるごとに専門家の意見でと答弁するが、先に政府の判断があり、分科会は追認だけだ。
「国民の生命とくらしを守る」国家・政府としての戦略も判断も戦術など全くない。
国家・政府は、新型コロナウィルス感染症の拡大防止と経済対策の両輪をどう進めるかが最大の課題であるにもかかわらず、経済対策に前のめりしている。
Go To トラベル<トラブル>はコロナウィルス感染症が終息したのちにとの閣議決定で国会で承認したにもかかわらず、「なぜ?この時期なのか」何の説明もない。
安倍首相の答弁も、森友・加計問題、桜を見る会、検察庁人事、アベノマスクまでの“言語強弁・意味隠ぺい”の勢いは全くなく、新型コロナウィルス感染拡大対応では戦略を持たず、部下や官僚に投げ出している。 存在感は急激になくなった。
税金の投入 米・戦闘機より医療に
来月からGo To イートを始めるという。
法政大学の小黒一正教授(公共経済学)は「政策は基本的に公平で、非効率や不正が起こらない制度設計あるべきだ。この最低限の話がクリアできていない」(7/21朝日新聞)と批判する。
非営利シンクタンク「言論NPO」は7月13日、日本政府の新型コロナウィルス感染症対策に関する有識者調査を発表した。
新型コロナに対する日本政府の危機管理対応を「評価しない」65.8%、 「評価している」28.2%
評価しない理由は「首相と首相側近の思い付きの行動やそれに対する忖度が目立ち、省庁間との協力関係が十分に機能しなかった」46.2%。 「政治家が判断の責任を回避し、専門家などの動きを実質的に利用しただけだった」17.6%。
安倍政権の「評価下がった」46.3% 「評価が上がった」5.4%
日本政府への信頼も「下がった」41.6% と場当たり的な対策、さらには森友・加計問題、桜を見る会、検察庁人事、アベノマスクなどの経験から安倍政権の実態を見抜き始めた調査結果となっている。
トランプ米政権にベッタリの安倍政権。 コロナ禍で国民も医療機関も疲弊している今、日本にステレス戦闘機F35・105機、総額2兆4700億円必要なのか?
新型コロナウィルスの影響で、一般病院の84.2%が5月の収益が前年同月より減少、5月の利益率(収益-経費)でも85.2%の病院で低下している。2~3割減少したは54.1%だ。(独立行政法人福祉医療機構の調査)
病院経営にとっては想定をはるかに超えている。 1割減収が3ヶ月続けば「およそ25%の病院で経営が苦しくなる」 7月に入り第2波が到来している。 国民の命の拠り所である病院が経営危機に陥ろうとしている。 PCR検査にも支障をきたしている。
国民の命と健康を守るため米国戦闘兵器の爆買いではなく、医療機関や患者へ最大限の税金投入が最優先されるべきである。 それこそが最大の未来のための経済対策だ
消費税減税こそ 国民平等に行きわたる「経済対策」
新型コロナウィルス禍のもと、世界で付加価値税(消費税)減税の動きが広がっている。
前述のとおり、ドイツではコロナ打撃を受けた経済の回復を目指す政策として、付加価値税(消費税)の標準税率を19%→16%に引き下げた。 食料品などの軽減税率も7%→5%に引き下げた。
この経済回復政策の総額は日本円で15兆9000億円。 減税は政策の目玉で日本円で2兆4000億円だ。
メルケル首相は「(減税で)消費が刺激される。みんな付加価値税を払っているので公平だ。経済全体に幅広い影響を及ぼす」 財務省は「速度が必要だ」と理由を述べている。
イギリスでも付加価値税(消費税)を20%→5%に引き下げた。
さらにオーストリア、韓国、キプロス、ギリシャ、コロンビア、中国、ノルウェー、ブルガリア、ベトナム、ベルギーでも減税が行われている。
コロナ禍での消費税減税は世界の流れだ。
コロナ禍、国民の命と健康の危険とともに、経済も直撃している。
消費税をなくす全国の会アンケート調査でも、消費税増税(8%→10%)で「支出が増えた」85% 「消費税廃止」82% 「消費税5%に」5%と消費税廃止・減税を求めている。
埼玉県議会は消費税の税率を一定期間0%とするよう国に求める意見書を採択。 岩手県奥州市は消費税を5%に引き下げる請願を採択しています。
新型コロナウィルス拡大(第2波)の今こそ消費税減税を経済対策の中心に据えるべきである。