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   マイナンバー書かないと? 違反になる? 不利益になる?

 年末調整の時期をむかえ、給与所得者や年金受給者が所得税の「扶養控除等申告書」の提出をめぐって、『個人番号(マイナンバー)を書きたくないが、書かないと受理してくれないのか?』・『不利益な取り扱いにされないのか?』と不安の声が広がっている。

 国税庁が公表した「平成30年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、この申告書の記載に当っては、裏面の「申告についてのご注意」等をお読みください。」と記載されている。裏面には(拡大鏡がないと読めないぐらいの小さな字で、 2.記載にあたってのご注意 欄があり、
(1) 「あなたの個人番号」及び「個人番号」欄には、それぞれ、あなた、源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族又は年齢16歳未満の扶養親族の個人番号を記載してください。
(注) 一定の要件の下、個人番号を記載しなくて良い場合がありますので、給与の支払者にお聞きくださ
い。
 とある。
 また、国税庁のホームページで公表している「平成30年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」の記入方法のPDFでは、
 ご本人の基礎献金番号・年金コード、氏名、生年月日、性別(数字を○で囲む)、住所、電話番号、個人番号(マイナンバー)を記入し、必ず押印してください、
➢ 所得税法施行規則第77条の4の規程により
個人番号(マイナンバー)の記入が必要です。
 と、しかも朱書きで記載されている。  <いずれも最後に現物を掲示>

 さらに、
記入された個人番号(マイナンバー)は、マイナンバーが正しい番号であることを(番号確認)および提出する者が番号の正しい持ち主であるあることを確認(身元(実存)確認)が必要なため、以下の(1)または(2)のコピーを申告書と併せて提出してください。
(1) マイナンバーカード(個人番号カード)
  *番号確認と身元(実存)確認のできる情報の両方が記載されているため、1種類で確認が可

  です。
(2) 以下の2種類(㋐と㋑ 1種類ずつ)を添付してください。
  ㋐マイナンバーが記載されている書類からいずれか1種類
   住民票の写し(マイナンバー記載のもの)または通知カード
  ㋑身元(実存)確認できる書類からいずれか1種類
   運転免許証、旅券、身体障害者手帳、精神障碍者手帳、精神障碍者保健福祉手帳、養育手帳、
  在留カード等
  *ご本人の氏名のフリガナ、生年月日があらかじめ印刷されている申告書を提出する場合には、

  身元(実存)確認はその申告書で行うため、㋑の種類のコピーの提出は不要です。

 年金受給者が提出する「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」はさらに厳しい。
 マイナンバーの記入欄「番号の記入がない場合、確認のため申告書をお返しします」との注意書きがある。 さらに記入の手引きには、「記入もれがある場合や、提出がない場合は、扶養控除等の適用が受けられず、所得税等が多く源泉徴収される場合がある」としている。

 納税の権利(自ら所得を計算し、納付する)を全く剥奪(一方的に源泉徴収され、年末調整で確定される)されている給与所得者や年金受給者に上記記述が理解できるだろうか? 挙句に、400万円以下の年金受給者は確定申告をしなくてもよいと切り捨て(多くの人が確定申告をすると還付となり、住民税も減額となる)られている人に ・・・ ここまでしつこく書かれると強制である。
 「一定の要件の下、個人番号を記載しなくて良い場合があります」とあるが、どのような要件なのか?  要件がなければ記載しなければならないのか?  全く分からない。  挙句の果て、「給与の支払者にお聞きください」とは、国税庁自らの説明を放棄しているとしか思えない。

 もっとも、「記憶にございません」 「記録は破棄しました」 と説明責任を感じない佐川国税庁長官の下ではこんなものかと思うしかない?
 信頼される国税庁・税務署には程遠い行政である。

   年金機構・国税庁など明言  “違反でない” “不利益ない”

 この問題で9月、日本年金者組合と全国商工団体連合会などが日本年金機構に説明を求めた。
 年金機構は、「マイナンバーは記載さていないものも受理します」と言明。国税庁と厚生労働省も「受け取らないことはありえません」と述べています。
 また、年金機構は「記入がない場合でも不利益はない」と回答しました。
 年金機構は、ホームページを更新し、Q&Aで「個人番号の記載がないことのみをもって当該申告書を受理しないということはありません」と訂正した。 源泉徴収については、「かりに個人番号の記載がない場合であっても記載内容に基づいて行います」と回答している。
 厚生労働省も電話で「マイナンバーを書かなくても不利益はない」と回答している。

   個人番号流出 ・ 悪用の恐れ  拡大

 マイナンバー(個人番号)は、自公政権が国民の猛反対を押し切って“国民の利便性”を強調して強行してきた制度。
 上記で記述した通り、マイナンバーカード(個人番号)を示しても、さらに身元(実存)確認のできる情報を、 住民票の写しを、 運転免許証、旅券、身体障害者手帳、精神障碍者手帳、精神障碍者保健福祉手帳、養育手帳、在留カード等を とたてつづけに個人情報の提供を求めてくる。
 まさに国民総監視・総管理の制度そのものである。

 マイナンバー(個人番号)をめぐっては、日本年金機構による125万件もの個人情報流出(2015年)や、100件以上の自治体によるマイナンバー付き通知書の誤配送事件・事故が絶えない状況だ。

 戸籍登録、住民登録、印鑑証明登録など、世界で類をみない個人登録のある日本で、さらにマイナンバー(個人番号)をも登録、しかも強制。 何が目的なのか? 制度導入以前から世界の識者は疑問を呈してきた制度である。

 韓国のマイナンバー(個人番号)に対する国民の感覚は、国民の利益には全くなっていない。 マイナンバー(個人番号)制度は税金の課税・徴収強化と徴兵制に利用する以外の目的などない。 と断じています。

 今また、戸籍の情報をマイナンバー(個人番号)制度と連携させるための戸籍法の改正を上川法務大臣は法制審議会に諮問した。2019年の通常国会にも改正案を提出する方針だ。

 マイナンバー(個人番号)制度と戸籍の連携には個人情報保護の観点から懸念する声が大きい。
 個人情報保護委員会によると、2015、16年度に報告された番号の流出・紛失などは全国で248件に上る。
 マイナンバー(個人番号)制度は、広く民間で利用することを前提としており、流出を防ぎきれないのは当然。情報悪用のため、売り買いされる恐れもある。 韓国では税務申告でなりすまし申告もあり問題が社会化している。

 マイナンバー(個人番号)を国民に強制することはできません。“協力依頼”として書類が送り返されてきても、記載しないからと言って受領拒否や不利益になることはありません。

  国税庁が配布している
  平成30年分の扶養親族等申告書と記入方法 現物
         <クリックで拡大します>

 

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