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  日本最古の温泉 ・・・ 道後温泉で開催

 全国税制懇話会の「秋季全国研究集会」・「全国理事会」が今月16日~17日(日・月)に開催される。
 道後温泉は日本最古の温泉で、宿は温泉施設が自慢の「ホテル椿館」だ。
 道後温泉での開催は二度目となるが、前回(2005年秋)も好評で、全国から多数の参加が期待される。

  昨年秋の研究会
 山本守之先生の講演  
     
(クリックで拡大)
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 第一日目(10月16日:日)
 受付
   12:00~13:00
 全国理事会
   13:00~13:30
 研究集会
   13:30~15:30
     講演:山本守之先生
      [演題] 事例を中心として租税法・通達の解釈を考える
         ~課税当局が一方的に通達適用の範囲を制限すると課税要件法定主義に反しないか~
 休憩
   15:40~16:30
     現場からの報告
   16:30~17:00
     実践納税者権利憲章論   報告:藤本 智会員(四国)
  
 懇親会・夕食
   18:00~20:00

 第二日目(10月17日:月)
 会員報告 ①
    9:00~10:30
     報告:岡田俊明会員(東京)
      [テーマ] 所得税実務に役立つケーススタディ
            ~その理論と実際~
 休憩
   10:30~10:40
 会員報告 ②
   10:40~11:15
     報告:角谷啓一会員(東京)
      [テーマ] 言語が理解できない者の調査手続き問題及び関与税理士の証言を重加算税賦課の証拠にした税務調査への対応
 
会員報告 ③
   11:15~11:45
     報告:野口剛会員(関信)
      [テーマ] 仮想通貨に関する考察
 講演及び会員報告をめぐる質問・討議
   11:45~12:00
 解散
   12:00
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  税を取り巻く情勢 ・・・ 税務行政・強権化の動き

 自民党の圧倒的勝利に終わった参議院選挙。税を取り巻く状況も、税理士にとって一層の緊張感をもって対応する情勢下となった。
 国税通則法改正(平成25年1月施行)は、「調査手続が法制化された点で一定の前身」と評価してきたが、この3年半の税務調査の実態を視ると、『事前通知』の骨抜きを狙う“実地調査以外の調査”が横行し、むやみやたらに『反面調査』を実施して納税者を精神的に追い込み、いたずらに半年を超える『長期間にわたる調査』、『重加算税賦課』や『7年遡及』で脅かしをかける調査が横行。『質問応答記録書』(自白証書)の押印を強要するなど、国税通則法改正の趣旨に反する強権的な調査が目立つようになってきた。

 国税通則法の目的は、「課税権の強化を目指す国税庁の野望・改悪であり、強権的な税務調査や違法・不当な課税が乱発される事態が到来する・・・」との見方があるなか、納税者の永年の要求である『納税者権利憲章』の制定には至らないが、改正国税通則法に明文化された。
 ○『税務調査開始手続の事前通知義務(11項目)』
 ○『税務調査終了手続の説明責任』
 ○『処分理由付記の義務化』
・・・等々 ― 納税者の権利の条項を一定限前進させ、さらには税務行政の民主化(・調査の透明性 ・納税者の予見可能性)を担保するものとして改正されたものである。

  劇場型時代の 危険な流れ

 加算税の加重措置という行政罰の強化が、たいした理由もなく提起され、たいした議論もなく成立した。日本の民主主義にとって危険な流れだ。
 隠蔽・仮装という悪質な不正行為による過少申告や無申告だから、制裁強化は当然であり、牽制効果を上げるために良いことだから歓迎だというのが、どうやら世間の流れのようだ(税理士専門誌『税理』2016.7月号の特集)。

 罰は重い方がいい。「牽制効果」は強い方がいいと、劇場型誘導はアメリカ大統領候補のトランプやヒィリピン大統領ロドリコ・ドゥテルテ、安倍・橋本流と同じ土台だ。
 加算税の牽制効果について論じた本がある。納税者の反応調査も行った上での論文で、何%の加算税を設定すれば納税者は脱税をしないか? というものである。
 結論は、脱漏額すべてを没収する税率を設定しても脱税は無くならないというものであった。すなわち牽制効果はないというものである。

 基本は、「税の集め方」・「税の使い方」への国民の信頼がないため、罰則の強化と牽制効果を狙うという本末転倒の策である。

  今からでも 深い論議を

 憲法の二重罰禁止との関係、脱税犯罪との関係、適正手続きの保障の問題、課税要件の不確定概念の問題、加算税そのものの趣旨、同様に自主修正申告の趣旨、通達・取扱い等の情報開示の問題等、司法を経ない行政官による行政罰の在り方、行政の均一性・公平性等の問題・・・ これまでも幾多の議論を戦わせてきたが、これを機に更なる議論を深めることが求められている。
(東京税財政研究センター会報より、一部筆者加筆)