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  幸福度 & 住み続けたい街ランキング

 街の幸福度自治体ランキング全国TOP5

順位自治体名偏差値評点
1位埼玉県鳩山町82.574.2
2位愛媛県伊予市74.872.0
3位宮崎県三俣町74.071.7
4位京都府大山崎町73.571.6
5位大阪府豊能町73.171.5

                             

 大東建託㈱が3年間の居住満足度調査に基づき、全国の自治体を対象とした“街の幸福度”&“住み続けたい街”ランキング2021で、鳩山町が全国第1位に輝いた。
 鳩山町は、わが事務所(むさしの会計・越生)の隣町である。我が事のように嬉しいものである。
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鳩山町地図1.png

 街の幸福度ランキングは、
  ・非常に幸福だと思う 10点   ・非常に不幸だと思う  1点とする10段階の回答平均を10倍にして(100点満点にするため)平均値でランキングを作成したものだ。
 偏差値は評点の平均値が50になるように変換し、評点の数値が評点の平均値からどの程度隔たっているかを示したものだ。

 鳩山町の幸福度の高さは、町民意識調査でも、約7割の町民が「今幸せだと感じている」と回答していることからも分かる。

   埼玉の“陸の孤島”鳩山町 なぜ「日本一幸せな街」 ?

 鳩山町は東京都から車で1時間。 高齢化が進み、鉄道の駅がなく「陸の孤島」と呼ばれている。なぜ「最も幸せな街」に選ばれたのか? 背景には健康寿命を延ばすための10年以上に及ぶ取り組みがあった。

 鳩山町は東京都から車で1時間の埼玉県中部に位置する。自然豊かなベットタウンとして発展し、人口1万3千人の街である。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究施設もあり、近年は熊谷(埼玉)よりも日本一暑い街としても知られるようになった。
 先日も1時間に100ミリを上回る豪雨が降り、全国的に報道された。

 高齢化率は45、5%(2022/4現在)と全国平均29、1%(2021/9)を大きく上回っているが、自立して日常生活を送れる「健康寿命」は男性84、16歳、女性86、12歳(2021/9)と全国的にも大幅に健康長寿だ。

  健康な高齢者が多い秘密 “運動” “栄養” “社会参加”

 健康な高齢者が多いのはなぜか? 鳩山町は2009年から、東京都健康長寿医療センターとの共同研究などにより、健康長寿の秘訣を “運動” “栄養” “社会参加” と分析し、健康寿命を延ばすための取り組み 「鳩山モデル」 を推進している。
 連携協定を結ぶ大東文化大学スポーツ健康学部が町民向けに筋力トレーニング教室を開き。 女子栄養大学が食生活改善のためのセミナーを開催。 町民有志が 「健康づくりサポーターの会」 を組織し、町内4ヶ所で健康教室を毎週開催(30~100人集まる)している。
 これらの活動が実を結び、町民意識調査では7割が「幸福を感じている」と回答している。

 住民の声は「理想の環境」
 実際の町民の声はどうか?
 ニュータウンで40年暮らす町民(96)は、背筋をまっすぐ伸ばし、90代とは思えない足どりで歩く。 毎月床屋で髪を爽やかに整え、「自然の中で暮らすのが夢」と妻とともに鳩山町に移り住んだ。昨年妻を亡くすまで、毎朝一緒に1時間以上自然の中を散歩するのが生きがいだったと言う。 独立した子供も毎週会いに来るという。

 町民を支える「デマンドタクシー」

 鳩山町は2009年から「交通死亡事故ゼロ」を継続中だ。埼玉県内で「ゼロ」が最も長くつづく自治体となっている。
 安全で便利な街づくりに力を入れているのが、高齢者が利用しやすいタクシーの整備だ。
 町内であればどれだけ乗っても200円の「鳩山町デマンドタクシー」。 2009年に運航を開始し、今年3月までは100円であった。誰でも気軽に乗れる価格である。 町民からの予約の電話でAIが4台のタクシーの現在地から迎車時間を瞬時に計算し、オペレーターが手配してくれる。町外の病院(隣町に埼玉医科大学病院 同・国際医療センターがある)などへの運航便もある。 町民は「いつも正確だ」と驚く

 町長、「生きがい持てる生活を」

 小峰孝雄町長(64)は、デマンドタクシーを公約に2008年に就任した。 自宅に庭から星空が肉眼でもよく見える。 高齢化を見据えた健康づくりを町政運営の柱に据えてきた。
 「生まれ故郷をより良い街にしたい」という思いが街中に溢れている。 待機児童ゼロは2004年から継続中である。 今後は高校まで医療費無償化などの目標を掲げる。 「高齢者だけでなく、若い世代も幸せを感じる街づくりに挑戦したい」と抱負を語る。

 「鳩山モデル」「リタイヤした団塊の世代が、思い描いた老後を過ごせる」だけでなく「若い世代も幸せを感じる街づくり」への壮大な挑戦である。

 調査した大東建託の宗健賃貸未来研究所長によると、そもそも住む場所や建物は幸福度に大きな影響は与えないという。 その上で鳩山町は「バブル期を生き抜いた町民が幸せに老後を過ごしている街」と分析する。