世も末
政府は5月18日の閣議で、「現行法令において、『セクハラ罪』という罪は存在しない」とする答弁書を閣議決定したとマスコミが一斉に報じた。
財務省の福田淳一前事務次官のセクハラ問題で、麻生財務大臣が「セクハラ罪っていう罪はない」と発言し、世間の顰蹙を買ったことを内閣として擁護しようというものだ。
この論法で行けば、痴漢罪は存在しない。
「この人痴漢しました。捕まえてください」と鉄道公安官に訴えても、「痴漢罪っていう罪は存在しないのに、捕まえろとはなんだ」と開き直られることになる。
麻生さんついでに言えば、麻生さんは5月14日の衆院予算委員会で、質問中の玉木雄一郎国民民主党共同代表に「自分がしゃべりたいんだよ、この人は」と閣僚席からやじを飛ばした。野党側は「質問者を侮辱する発言だ」と抗議し、質疑が一時紛糾し委員長から注意された。
なんとも下品なヤジで、委員長から注意されてもカエルの面に水のような対応である。「下品ヤジ罪」とか「侮辱ヤジ罪」は存在しないということのようだ。
こうした例からも分かるように、セクハラ罪は存在しないなんてことを閣議決定する感覚がズレ過ぎているのだが、どうも倫理観ゼロの集団が閣議を構成しているようで、世も末だ。
ウソ、ウソ、ウソ
おもわず「ウッソー」といってしまいそうになるが、加計学園は愛媛県にウソの報告をしていたことを自ら公表した。
安倍総理にあってもいないのに、会ってお言葉までいただいたと嘘の報告をしたというのだ。その嘘で補助金を受けたのだから、ひどい話だ。
ではなぜ加計学園は「自供」したのかといえば、安倍さんの嘘を守るためらしい。
つまり、安倍総理に会ってお言葉をいただいたことが事実なら、安倍さんは嘘を言っていることになる。
その安倍さんの嘘をホントにするために、「ウソ報告」をしたとまたまた嘘を供述したという図式にみえる。誰かの嘘に口裏を合わせた格好だ。
「ウソつき罪」は存在しない ってか
ウソという言葉が平然と飛び交う政治情勢になっている。世論もいよいよ沸騰している。
こうなると少々の水を掛けても温度は下がらない。
それを何とか躱すには、「閣議決定」だ。
「現行法令において、『ウソつき罪』という罪は存在しない」という閣議決定。
まさかと思うが、この内閣はやりそうだから笑えない。