危険が見える
リオ五輪の閉会式。次回の開催都市・東京のプレゼンテーションを見て唖然とした。
やたら日の丸が強調されているなと思っていたら、東京で土管に飛び込んだマリオが地球の裏側のリオに飛び出す演出で出できたのはマリオのコスプレをした安倍首相だった。
得意気にしている安倍さんの顔を見て、ホントに危ない日本になったと心が冷え切った。
第二次世界大戦後、国のトップがしゃしゃり出ることはなかった。国家主義がプンプンで安倍さんも忌み嫌う北京五輪の中国やソチ五輪のロシアでも、主席や大統領がショーに登場することはなかった。これから先もないだろう。
北朝鮮などの独裁国家でオリンピックが開かれないかぎり、こんなショーはありえないと指摘する報道関係者ものいる。
ところで、1936年に開催されたベルリンオリンピックはナチス・ヒトラーのオリンピックといわれている。
ヒトラーがオリンピックを宣伝に利用した、まさに歴史に残る負のオリンピックである。
このオリンピックの3年後、ヒトラーはポーランドに侵攻し、第二次世界大戦となり数千万人の命が奪われることとなった。
何を狙うのか
プロモーション映像でもやたら安倍首相が顔を出す。日の丸もやたら登場し、安倍首相と日の丸が主役だといわんばかりだ。
いうまでもなくオリンピックは「都市」が開催する祭典である。国は主役ではない。にも拘らず安倍さんが主役とばかりにアピールするショーは、明らかに政治ショーだ。
はっきり言ってナチス・ヒトラーとかさなる。
こんな政治ショーをもって2020年の東京オリンピックを宣伝するということは、次回の東京オリンピックを国家のオリンピックにするという宣言といえる。
ベルリンオリンピックの再来。これは許してはならない。
いうまでもなくオリンピックはスポーツと平和の祭典であり、事実、競技中の宗教的、政治的アピールの一切が禁じられている。
安倍さんのパフォーマンスを喜んだり持ち上げたりするネットの書き込みが多数あるようだが、日本国民の民主主義度が世界から見られているのであって、能天気な国民と笑われないようにしたいものだ。
政治的、余りにも政治的
ところで、今回の開催地引継は都知事の直前交替という中で行われた。五輪旗を引き継いだ小池知事の任期は2020年7月30日だから、このままいけば2020年7月24日開催の東京五輪は小池知事のもとで開催となる。
さて、東京五輪組織委員会のトップは森喜朗氏である。安倍さんのお仲間で、小池知事とはそりが合わないといわれている。
一方、安倍さんの自民党総裁任期は2期6年となっていることから、2018年の秋までとなる。総裁を降りれば首相の座も降りるのが通例であるので、首相の任期も2018年秋までとなる。そうすると2020年の東京オリンピックはただの人で迎えることになる。
リオで展開した安倍政治ショーは、いまの流れからいえば結びつかないわけだ。
なにやら急に安倍総裁の任期延長が取りざたされ、3期9年が浮上している。そうすると2021年秋までとなり、安倍政権のもとで東京オリンピック開催となる。
安倍・森コンビでオリンピックを国威発揚に利用しようという思惑が見え隠れする。
場合によっては、小池知事を引きずりおろし、安倍さんが都知事に立候補する裏技も考えられる。
安倍マリオをみて、オリンピックを利用する政治のおどろしさが見えてくる。国民の税金を使って、オリンピックを汚し、世界を不幸に導く材料にされてはたまらない。