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   国保料・介護保険料大幅値上げの懸念

 29年度の国民健康保険料(税)の通知が6月中旬から届き、「どうしてこんなに上がったのか?」との問い合わせが区市町村に殺到している。
 東京23区は国保料を統一しているが、前年度比1人当たり平均年7252円の値上がりだ。(2010年度比約27%の負担増)  高齢弱者(年金生活者)は国保料の値上げに途方に暮れている。 ・・・ この間、年金受領額が減額され、収入が下がっているのに。
 23区の国保料は、1999年石原自公都政時、4人家族(給与年収400万円、給与所得266万円)で16万円であったが、自公両都政下負担額は増え続け、1017年度は41万8千円と2.6倍にも異常に負担が増加した。

 年金の受領は減額され、国保料も介護保険料も負担は増額される。 まさに「税の集め方、税の使い方」の問題だ。 国保料、介護保険料への(税金)公費繰入・補助金の削減がこの結果を引き起こしている。  無駄な税の使い方を改めれば、財源はある。

   都道府県移行

 高すぎる国民健康保険料(国保料)、運営主体が来年4月、市町村から都道府県に移行(広域化=都道府県化)される。
 現在、移行作業中だが、「広域化」方針法案では都道府県に新たな国保特別会計を設置。市町村も保険料の決定・徴収などを担うというも。
 「広域化」に伴って県は、財政運営の主体となり、市町村は、県が示す標準保険料率を参考に保険料を決め、住民から徴収した保険料を財源として納付金を県に収める。

 国保料の住民負担を軽減するために多くの自治体が実施している市町村国保会計への一般会計からの法定外繰入については「計画的な解消・削減」をうたい、「保険料の適切な納付」と「徴収強化」の方向を打ち出している。
 法定外繰入が解消・削減されると国保料のさらなる大幅なアップが予想される。

 年金生活者、母子家庭など生活弱者にとって収入アップの目途は立たず、国保負担はこの18年間で2.6倍にもアップした。(普通のサラリーマンでもこの18年間で収入は殆どアップしていない)さらなる負担の大幅アップは、国民としての最低生活さえ脅かされる事態を引き起こしかねない。

 この30年間、国保の総収入に占める国庫負担金の割合は1980年・57.5%から2009年・24.7%へと減額され続けてきた。 この国庫負担金の割合「税金の使い方」を1980年当時の57.5%まで引き上げることこそ国民の生活を守る意味で緊急の課題だ。

   中小企業の売上高・収益悪化

 中小企業団体中央会の4月の中小企業月次景況調査で9指標中4指標が前月比悪化した。主要3指標では売上高DIと収益状況DIが1.0ポイント下落した。
<DIは好転したとする割合から悪化したとする値を差し引いた値>
 中央会は、「中小企業の先行きは予断を許さない状況にある」としている。
 各地の組合員からは、「消費の伸び悩みの影響が懸念される」と指摘している。

   所得と消費の立て直しが急務

 「成長戦略」や「骨太の方針」の閣議決定など、2018年度の予算編成に向け動きが始まる中、6月に発表された今年1~3月期の国内総生産(GDP)の2次速報値が予想に反して悪化したことが注目されている。
 年率換算の実質伸び率で1.0%増、生活実感に近い名目で1.2%減と個人消費の伸び悩みが響いている。
 生活実感に近い名目でマイナスになったのは、GDPの約6割を占める個人消費の伸び悩みが指摘されている。
 名目GDPの改善は、アベノミクスの目玉であったが、所得も雇用も改善せず、国民の所得も消費も伸び悩み、経済の立て直しも進んでおらず、行き詰まりが深刻化していることを浮き彫りにしている。
 「アベノミクス」(政策)を中止し、所得と消費の立て直しをし、暮らし優先の経済政策に転換することこそ必要である。